ウラジオストク近郊のRZD乗り潰しをしてみたので紹介します。
ロシアの鉄道というと12万キロ以上あるようで全線乗車はどう考えても困難です。沿海州だけなら多少のチャンスがあるかもしれません。
沿海州の旅客鉄道の地図がこれ。本線からいくつかの路線が分岐しています。
ナホトカへ行く路線は途中空港線が分かれています。バラノフスキーからは北朝鮮方面の路線があります。シビルツヴォからはナヴァチュグエフカへの分岐しています。
ハサンへは既に行っています。
今回は一番下の端のウラジオストク近郊を乗り潰ししてみました。訪問は2019年8月27日です。
終着駅の位置が衝撃すぎる
ウラジオストック近郊路線の興味深い点は線形です。
北のウスリースク方面へ往復する利用客であれば、利用価値はあると思います。
しかしウラジオストク駅からの路線はかなり狂っています。ウラジオストク駅から直線距離で約2km。路線距離は18km。非効率。Bukhta Zolotoy Rogという湾を大回りをして辿り着きます。
ムィスチュルキン駅はウラジオストクの橋を渡った反対側の橋の間下より少し東です。
なんでこんな路線を旅客営業しようと思ったんだRZDは。貨物ならまだしも。ルーカバヤなどの区間利用を考えてなのでしょうか。
実際問題、ムィスチュルキン駅のすぐそばに路線バスは走っています。わざわざ鉄道で行く必要性は疑問があります。そんな微妙な場所だからこそ乗ってみました。
ダイヤ
先述した通りかなり鬼畜なダイヤです。
樺太庁陸地測量部さんのダイヤを参考にしています。本当にありがとうございます。
RZD公式でも見られます。
出発
ムィスチュルキン駅発着は、
- ウラジオストック方面へ1本
- ウシュリスク方面へ3本
到着
- ウラジオストック発が1本、
- ウスリスク方面が4本。
すべて朝夕に偏っています。日中はないです。日中線です
乗りつぶしてみた
夕方、ウラジオストク発の便に乗ってムィスチュルキンへ向かいます。
早朝ムィスチュルキン始発の列車もあるんですが、google mapに駅の場所はプロットされていないせいで、ムィスチュルキン駅がどこかわからないという理由で、ムィスチュルキンへ向かう列車に乗ることにしました。帰りはyandex mapで見るとどこかしらの路線バス停留所には行けそうなので大丈夫でしょう。
ウラジオストク駅
特に何の変哲もないウラジオストックの近郊列車です。
この列車に辿り着くまでが最悪でした。発車1分前にギリギリで乗車しました。ウラジオストック駅は迷宮です。長距離列車用の入り口から入ると、近郊列車ホームに行けません。正面口を右に行って外の歩道橋から入る必要があります。
長距離列車ホームには、入る時も出る時もセキュリティチェックが控えていて、僕の邪魔をしてきます。
番線表示も摩訶不思議です。Platform4 ですが駅の電光掲示板は15番線です。欧州ではまああるタイプですが私はこれ勘弁してほしいです。というか7の隣が15って謎ロシア。
ギリギリ1分前に乗り込みます。18時40分発。
最初の停車駅ヴァエンナヤ シャッセ駅に停車します。ウラジオストク発着は早朝と夕方のみでこの駅に停車するのは1日合計3本と思うとレアな感じがしてきます。誰がこんな駅使うんだろうかと思いますが何気に乗降客は居ました。
ヴァエンナヤシャッセを過ぎると、左手にТретья Рабоча駅が見えます。ウスリスク方面へ行き来する列車が停車する駅です。向こう側は後で乗車します。
ルーカバヤ駅を通り過ぎ、湾の南側を走っていきます。右手の窓には港湾の様子が近くから見えます。ウラジオストクの展望台から小さく見える場所ですが、この列車に乗るとよく見えます。大量のコンテナ。大量の唯のゴミ。港湾なので一応写真はやめておきます。
ウラジオストクから30分乗車すると、Мыс Чуркин駅が近づいてきました。
終点ムィスチュルキンに到着します。
利用者は、終点ムィスチュルキンまで乗る人は10人くらいだったと思います。そりゃそうだよね。直線距離で2kmの所をよくもまあこんな時間をかけて走るものです。
ムィスチュルキンには、電車を留置する場所はありません。朝は回送してここから始発。夕方はここにきて回送で帰ります。じゃあ客扱いしてくれよと言いたくなりますがRZDなのでどうしようもありません。おとなしくバスで帰ります。
列車の発着は1日9本にもかかわらず切符売り場 は営業しています。むじんくんではありません。なんて親切な駅でしょう。
一見森の中のひっそりとした駅です。駅に入る道は港湾労働者の通路になっていて、結構な頻度で誰かしらが歩いていきます。
さらに駅の屋根がある場所に良く分からん人たちが、よっぱらうためだかキめるためだかたむろしているので、心安らぐ駅ではありませんでした。私が来た時には2人でしたが、いつの間にか5人になっていて、一体何の集団だったのだろうか。彼らは暴れはしてないので危険ではありませんでした。
駅から出ます。
出口A
駅のメインの入り口。階段を上っていきます。
階段を上りきって道路に出ます。ムィスチュルキン駅はgoogle mapにプロットされていないですが存在することはします。開業したばからプロットされていないのでしょうか。
場所はここです。
周囲は本当にただの住宅街で、他にはガソリンスタンドがある程度です。
この大通りにバスがあるのでそれに乗って帰りました。
バス停があります。
出口B
駅の2つ目の入り口。車止めの先に細い土の道があります。
道はこんな感じ。
この出口からどんどん歩いていくと、有名なウラジオストックのゴールデンゲートブリッジのの間下付近まで行けます。私はバスに乗る必要があるので、この先は面倒なので行きませんでした。
2路線目
路線はウラジオストク発ムィスチュルキン行きは三角形の底辺の部分は通過できます。右上の側の線路は通っていません。
乗りつぶしという大義名分上面倒だけれども乗っておくことにします。
Луговая Lugovaya
8月27日朝のルーカバヤ。最悪の雨でした。地獄のような雨で、回避不能な水たまりが道路に形成され、水が革靴に流れ込みました。20cmの深さはありました。ロシアの道は排水が悪いです。それにしてもひどい。
切符を買ってモルゴロドクまで行きます。
僕は大雨で靴の中までびしょびしょ。ズボンはびしょびしょだから財布はびしょびしょ。紙幣は濡れまくり、感熱紙のしょぼい切符の文字は判読しがたいものになってしまった。
普段であればロシア人もホームで待っているのでしょうが、この日は流石に雨の勢いが尋常でなく、大勢のロシア人と狭い駅舎内で発車ギリギリまで待ちました。
ムィスチュルキン始発の列車がやってきました。雨のせいか少し遅れています。
ズボンまでびっしょり濡れてしまいこのまま椅子に座ると椅子が濡れてしまいますが、まあロシアなのでそんな事は気にしなくていいでしょう。
座席を湿らせつつ座り、発車から2分くらいで長めのトンネルがあります。トンネル以外に特に見どころはなくすぐ乗り終わりました。
乗車時間10分 Моргородок駅に到着しました。
駅前にちょっとした店があります。先述した通り大雨で靴の中までびしょびしょ。財布はびしょびしょ。僕は疲弊し、体力を回復するためにホッドドッグを買ったら、なぜかケバブの値段を取られました。大した額ではないし僕は雨で疲弊していたのでおとなしくボられました。
ウラジオストク近郊の乗りつぶしでした。
全く目立った見どころは無い路線でしたが、またウラジオストクのあまり見ない顔のひとつということで、乗ってみると物好きな人にとっては面白いかもしれません。
運賃
- ウラジオストク―ムィスチュルキン 43 RUR
- ルーカバヤ -モルゴロドク 23RUR
- モルゴロドク – ウラジオストク 23RUR
バスでムィスチュルキン
ダイヤがかなり鬼畜で列車だけで往復するのは困難です。ムィスチュルキンへは行きか帰りをバスで行くと思います。
ムィスチュルキンはウラジオストックの住宅町の一部です。出口1で先述したところにバス停があります。バスは頻繁に走っています。
8、30、55、62番のバスで行き来できます。
Владивосток Vladivostok
RZD RZhD РЖД